3ヶ月の育休にチャレンジして感じたぼくのエンジニアキャリア

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お久しぶりです。もーすけです。
4ヶ月もブログを更新しなかったのは、開設以来はじめてじゃないでしょうか。 実は子供が生まれ「3ヶ月間の育休」をとっていました。 その間、意図的でもあるのですが、一切の仕事および技術系の勉強から離れていました

仕事からも技術の勉強からも、離れることで見えてきたキャリア・自分の気持ちについて書き残していきます。 これから結婚や子供を生むことを考えている人たちのひとつの参考になればと思っています。

ちなみに下は、このブログに関する一人語り動画です。 文章を読むのだるいよって人は動画の方をどうぞ。

仕事は人生の全てではない

我々は、というかぼくは、かなり資本主義社会に毒されていたと思う。

一日のほとんどの時間を「仕事」に費やし、
仕事には多くのプレッシャーがかかって苦しむこともあり、
週末もキャリアアップのために勉強する。

振り返れば、小学4年生から中学受験の予備校に通い、毎月のようにテストをして、点数が張り出され、順位社会で生きてきました。 いつしか、人生とは「人と競って、仕事を頑張って、多くのお金を稼ぐこと」、そういう考えにかなり重きをおいて生きてきたように感じます。

向上心があって良いこととも言えるけど、あまり心地よさを感じない生き方とも感じます。

ITの世界へは大学3年生のころに入り込み、それから今まで11年間、毎日というのは嘘になるが、1週間で勉強しなかったことはたぶんなかったと思います。
GWも年末年始も、予定が空けばチャンスと思って勉強したり、なにか作ったりしてきました。

もちろん半分くらいは「好きだから」「楽しいから」でやっていたのだけれど、100%それだけの気持ちではやっていなかったのも事実です。 仕事をうまくこなしたい、失敗したくない、同僚に置いていかれたくない、上司から悪い評価をされたくない、いろんな「恐怖」や「欲望」の気持ちが絡み合っていました。

いままでも、この状況に違和感を感じることはあったのですが、
育休で3ヶ月間、一切の仕事と仕事関連の勉強から離れることで、この気持ちに素直に向き合うことができた気がします。

なんで3ヶ月の育休だったの?

まず、子供が生まれたら期間はともかく育休は取ろう!と決めていました。
理由は、時代の後押し的なこともあるけれど、その時にしかできないことなのでしっかり向き合いたいという気持ちがあったからです。

とはいえ、前節で書いたような考えの持ち主なので、あまり長期間仕事から離れることは、キャリアに対する不安がありました。

過去の育児経験者にいろいろ聞いてみて、1ヶ月は短いということがわかったので、最低でも2ヶ月にしようと思ってました。 調べると、出産後に女性が身体的に復活するのが約1ヶ月なので、1ヶ月の育休はほんとうに最低限だなと思います。

実際、最初の1ヶ月は妻は動けない、動かないほうがいいので、ほとんどの家事を自分がやりました。 2ヶ月目から、共同で育児・家事ができるようになります。

赤ちゃんは3時間スプリントで動く

赤ちゃん、とくに新生児は3時間のスプリント(サイクル)で生活します。 基本的に3時間間隔でお腹がすいて、ミルクをあげる必要があります。

育児中に自分の生活リズムなどありません。
赤ちゃんの生活リズムが絶対の生活リズムになります。 もし、勉強したりキャリアアップのための活動をしたい場合にも、このリズムの中で行う必要があります。

3hour-sprint

仕事的にストレスフリーな状態

もちろん育児にはストレスがかかります。楽だなんて間違っても言えません。
すぐ泣くし、なんで泣くかわからないし、夜中起こされるし、自分の時間がないし。

しかし、これらの大変さはやっぱり「仕事における大変さ・ストレスとは異なるタイプのもの」という感覚がありました。 育児はミルクを作ったり、抱っこしたり、家事をしたりたしかに大変ですが、決して難しい作業ではないと思います。 この仕事できなかったらどうしよう、スキルが足りなくて実装できないかも、期限に間に合わず怒られるかも、とか自分の無力さや他人との比較、評価されるストレス・プレッシャーとはやはり違います。 ある意味、単調であり、きちんとやればできるものです。

そして、リズムもある程度あるので、慣れてきます。

育児の大変さにある程度慣れてきた頃に、
自分が今まで感じたことのないストレスフリーの状態にいることに気づきました

気づけば、社会人になってから(正確に言うと社会人前からかも)はじめての状態に感じました。
だれと競うわけでも、比較されるわけでもない、そんな状態がどんな心の変化を生んだか気づきました。

心が素直に赴く場所は?

会社や顧客、仕事といったものからのストレスから開放されたときに、 なにを心からやりたいと思うか?これに気づく重要な時間でした。

もちろん育児中なので、自分に与えられた時間は毎3時間スプリントのうちの多くて1時間くらいです。 しかし、一日でいうと多分2-3時間くらいは自分の時間があったきがします(1ヶ月なら60-90時間くらい?)。

その時間を何に使うかは自由です。
※ただし、時間は細切れなのでまとまった時間はないし、外出ができるわけでもないのでなんでもできるわけではないです。

  • キャリアアップに活かすもよし
  • 育児に100%全力をだすもよし
  • ゲームをやるのもよし
  • いままでやれていなかったことを調べてみるもよし

自分は、あれだけ隙があれば仕事に関連しそうなことの勉強という生活を送っていたのにもかかわらず、 それをやりたいと思わなかったのが本音でした。

それよりは、少し先の子育てについて調べたい(例えばどんな習い事があるのか、いい学校はこのあたりにあるのかなど)、経済や世の中のことを知りたいというモチベーションのほうが素直にありました。
これだけ11年間向き合ってきたことに、少しも意識がいかなかった自分が不思議でなりませんでした。

この心の状態を忘れないでいる

この経験でわかったことは、
もしかしたら自分はいままで少し無理をしていたのかもしれないということでした。

別に仕事が嫌いとか、実はITに興味がないとかそういうことではありません。
しかし、なにかの恐怖心のために無理をしていたのかもしれないです。 もちろん、頑張ってきたゆえにいい仕事の結果を出せてきたのも事実だとは思います。

とにかく、自分の素直な心を忘れずに生きたいなと強く今思います
仕事に復帰すると、また恐怖心などでてくると思います。 そのときには無理せず、自分の心と向き合いたいと思っています。

ちなみに、自分の心と向き合うのにマインドフルネスが個人的におすすめです。
とくに元Googleの人が出している「Search inside yourself」という本がとてもおすすめです。

育休はエンジニアキャリアにとってプラス?

正直、自分の経済合理性だけを追求するのであれば、育児は合理的ではありません。
ただ、それでも見てるだけで癒やされるし、ずっと一緒にいたいと思うし、世話したいなと思うのが我が子というものです。

キャリアにとってプラスか?ではなく、 人生にとって大きなことなのです。

さいごに

ここまでポエムを書きなぐってきましたが、 人によっては、育てやすいお子さんだからできたとか、金銭的に余裕があるからできるとかいろんな意見を持つと思います。 こういった恵まれた育休を取ることができたのに、次の要素を予め準備ができていたことが大きかったと思います。

  1. ある程度の「現金」の準備
    • 育休期間中、育児休業給付金がもらえますが、毎月もらえるわけではないです。毎月の給与をあてにしていると成り立たないので注意です。
    • また、住民税も住民税の締めである5月まで払う必要があります。まとまったお金が必要なのでかならず「現金」で準備しておきましょう。
  2. すぐに廃れないスキルを身につけることを意識しておく
    • もう何年も前からすぐに廃れないスキルを身につけることは意識していました。
    • が、結婚を考え始めた頃から、より強く意識するようにして準備してきました。地味で時間のかかることも多いですが、ベースを理解することを意識して日頃仕事をしてきたつもりです。
    • そういったスキルを身につけておくことが「安心して育休に入れる」きっかけとなるでしょう。
  3. 時間短縮になる家電を揃える
    • 3時間スプリントでいかに自分の時間を残せるかは、家電も大事だと思います。
    • お金や電気で解決できることは積極的に行いたいところです。
    • 時間を節約することは、上に書いた自己投資をすることにも繋がります。

最後に、ぼくが勤めてきた・勤めている仕事環境は悪いものではありませんでした。 環境が悪いから辛かった、とかそういうものではなく、ただただ自分のマインドセットの問題です。 とはいえ、どうしてもこの労働社会・資本主義社会のなかで、苦しくなってしまう場面もあるということです。

快く育休を受け入れてくれた職場には感謝をお伝えします。

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