こんにちは、もーすけです。
『アーキテクチャモダナイゼーション』を読み終えて、久しぶりに本当に心を動かされる技術書(というよりもっと広い意味の本)に出会えたので、感想を書き留めておきたいと思いました。自分が今まさに直面している課題とも重なっていて、最初から最後まで噛み締めながら読んだのは何年ぶりかもしれません。
本の概要
本書は、単なるコードのリファクタリングやパターン集ではありません。ビジネス目標からヒアリング、ウォードリーマッピング、イベントストーミング、ドメイン設計、チームトポロジー、内部開発者プラットフォームに至るまで、モダナイゼーションに必要な要素を幅広くカバーする、いわば「地図と旅のしおり」のような本です。ページ数も600ページ近くあり、軽い気持ちでパラパラめくるタイプの本ではありません。
なにがそんなによかったのか
いちばん伝えたいのは、点と点をつないでくれる本だということです。
アーキテクチャやモダナイゼーションの文脈でよく出てくる DDD やドメイン分割、イベントストーミング。プラットフォームの文脈で出てくる プラットフォームエンジニアリング。組織論では チームトポロジー。これらはそれぞれ別の本や記事でバラバラに触れてきて、「なんとなく知っている」状態でした。本書は、その知識をモダナイゼーションという一本の線の上でつなぎ直してくれます。
各トピックを業界で一番深く掘る本、というわけではありません。むしろ「この分野の決定版」より、いま取り組みの中で一番大事なことを、バランスよくまとめてくれている感じがします。だからこそ、自分の頭の中にあった断片がつながっていく体験がありました。
技術書か、経営書か
正直に言うと、技術の話より戦略や組織の話の方がページ数的には多いかもしれません。でもそれが嫌ではなく、著者が言う ソシオテクノロジー(社会技術) の視点で、技術・戦略・組織が切り離されずに描かれているからだと思います。
アプリケーションのモダナイゼーションに向き合っている人にはもちろんおすすめですし、プラットフォームエンジニアリングに携わっている人にも手に取ってほしいです。タイトルからアプリのアーキテクチャの話だけかと思って避けてしまう人もいるかもしれませんが、プラットフォームの目的は最終的にはビジネスへの貢献に行き着きます。その意味で、視野を広げる読み物としての価値が大きいと感じました。
当たり前のことと、信憑性
本に書いてあることの一部は、「そうだよね」と思える当たり前のことも多いです。それでも、これだけのボリュームと構成で本を書いている人が言う当たり前には、重みがあります。読みながら「自分、できているかな?」とチェックリストのように自省できる場面も多かったです。事例も豊富で、飽きずに読み進められました。
まとめ
600ページを超える大作で、サラッと一気読みする本ではありません。少しずつ時間をかけて、噛み締めながら読むのに向いています。時間はかかるけれど、それがいい。知識が血となり肉となるような読み方ができる一冊だと思います。
ぜひ手にとってみてください。
